寄席という大切な 存在

四代目店主 富田里枝です。

今日から浅草神社の例大祭「三社祭」が斎行されますが昨年同様、神事のみとのこと。

宮神輿一之宮による御用車(曳台)での氏子四十四ヶ町「御神霊(おみたま)移御」も緊急事態宣言延長に伴い見送るそうです。

2年続けてお祭りができないなんて、浅草の人間にとっては本当に寂しい…
来年こそは楽しいお祭りが行われますように!
三社さまにコロナ終息をお願いしてまいりました。

さて、今回の緊急事態宣言が出された当初、都内に4軒ある寄席は無観客での開催を要請されましたが「寄席は社会生活に必要なもの」として興行すると発表しました。

浅草演芸ホールの松倉社長は「芸人さんが他の仕事をキャンセルされる中で、寄席ぐらい開けてあげたらどうだろうかという気持ちだった」とコメントされていました。

その後、都より再び休業要請があり5/1~5/11の期間やむなく休業していましたが、12日より4軒とも無事に再開、客数を半分にして興行しています。
休業中はネット配信していたみたいで、近所の喫茶店のルミちゃんが「楽屋口からお囃子が聴こえてきたんだよー」と嬉しそうに教えてくれました。

私は寄席が大好きです。
仕事でへとへとになったとき。
辛い事があったとき。
店を閉めてから浅草演芸ホールへ。
休みの日に上野鈴本演芸場へ。
いろんなこと忘れて、舞台をぼーっと観てワハハと笑えば、次の日も頑張れる気になります。

立派なホールでの落語会より肩の力を抜いて楽しめるし(ホール落語も行きますけど)、落語だけでなく漫才・奇術・曲芸などいろんな芸人が次々登場するのが寄席。

時には「つまんないなー」って呆れちゃう芸ばかり続くこともあります。

それも寄席。

人間国宝の柳家小三治師匠の凄い芸を7時以降の夜割で観れちゃうことも。

それも寄席だからこそ。

先日、ネット配信番組で古今亭菊之丞師匠と柳家喬太郎師匠の対談を観ました。
お二人とも語っていたのが「寄席は特別な存在」ということ。

寄席の出演料ってほんとうに少ないそうです。
それでも噺家は出たいのだとか。

どんなに売れっ子でもスケジュールをやりくりして、なんとか出たい。
それが寄席。

観客にとっても落語家にとっても、大切な寄席の灯を消さずになんとか頑張ってほしいものです。

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