【履物豆知識】痛い履物は自分で鼻緒を引っ張っても履き良くならない⁈

挿げ職人の小林です。
以前よりよくある鼻緒調整のお持ち込み修理。
鼻緒ズレをしてしまうので鼻緒調整をして欲しいとの事。
こんな時、お客様の想定とは逆に鼻緒が緩くて問題がある事がほとんどです。
何故こういった事がよく起こるのか?

痛くなってしまう履物は痛くなるようにできている?

何故足に合わなくなる?

購入時に足に合わせ調整を出来ない店という事もあるのですが、職人のいない店へ卸されるメーカーの鼻緒挿げ自体にそもそもの問題が…
そういった商品は、そもそも緩くなるように出来ているのです。
では、何故そういった履物が売られるのか?

緩んでいく履物が成り立つ理由とは?

それは、誰でも引っ張れば、鼻緒が伸びる”伸びしろ”をつけてあるから。
コレは完全に売る側の都合です。
お客さんも流石に足が入らない履物は買わないし、それでは売る側の販売店も困る。
技術のないお店でも、引っ張れば伸びる鼻緒の履物があれば容易に売ることが出来る。
こういう商品は販売店とメーカーにとってはWinWinになるでしょうが、ユーザー(お客様)にとっては、最悪の履物です。
どの程度”伸びしろ”を引っ張られたかわからない履物は、履いているうちにどんどんと緩んでいきます。
緩んだ分、足と履物の間に遊びが出来、履物の上で足が常に動き擦れていきます。

鼻緒調整にお持ち込みされる履物の実態とは?

よくある履物調整の鼻緒の状態の写真をご覧下さい。
何も触っていない状態で”伸びしろ”となる隙間があります。
既に伸びた(伸ばした分)も含めると相当量だと思います。
鼻緒の端を中に通る麻紐で縛り留める根留め(ねとめ)という工程に関しても、中綿をきちんと抜いていない為にまだまだ締まる余地があり、その分緩む状態です。

こういった履物や売り方が今日、大部分を占めています。
これは、職人が減っているから仕方ない、の一言で済ませられる話なのでしょうか?
ほとんどのお客様(ユーザー)はこの事実を知らないでしょう。
お客様の事を考えていない(と、私たちは思っています)こういった履物を売るのも買うのも自由だとは思います。

ただ、こういった事実を是非知っていただいた上でお客様には選んで頂きたいので、これからも専門店として大切な事はお伝えしていきます。

辻屋本店でのご対応に関しまして

辻屋本店では、こういった履物調整が必要な履物のお持ち込み修理も有償にはなりますが、喜んでお手伝いいたします。
また、当店でお納めする商品に関してはお渡しする段階でお客様の御意見を伺いながらきちんと足に合わせ調整いたします。
そして、鼻緒の変化、足の変化に伴う調整に関しましても、もちろん無償にてお承りしております。

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