大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』を思い出しながら

2019年に放送されたNHK大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』。
ご覧になってましたか?
大河ドラマとしてはあまり視聴率が振るわなかったと聞きますが、私個人としては大好きな作品でした。
さすが宮藤官九郎さん!という脚本でしたし、主役のひとり中村勘九郎さんのファンですし。
NHKの番組ウェブサイトはこちら https://www.nhk.jp/p/idaten/ts/X8G1WM8WP6/

2度目の東京オリンピックがまさかこんなことになるとは、当時の放送中には夢にも…ねぇ。
明日の開会式を前にふと思い出したので、辻屋本店が撮影にご協力したエピソードを書いてみます。

日本で初めてオリンピックに参加した金栗四三と、日本にオリンピックを招致した田畑政治。ドラマは2人の主人公をリレーする形式で描いています。
語り部役として、五代目古今亭志ん生

金栗四三は故郷・熊本で往復12kmの通学路を走りぬける姿から“いだてん”と呼ばれるようになった。
つまり「走る」場面が大事なので、足元のアップも多かったんです。
金栗が上京してレースに出るようになると足袋が需要なアイテムになるのですが、熊本時代は素足に下駄。

この下駄、辻屋本店が協力させていただいたのです。
制作スタッフが探してきた履き古しの下駄の台に、うちの職人が鼻緒を挿げました。渡された生地で鼻緒も仕立てて。
こちらの下駄です。全部で6足。

現場では金栗役の中村勘九郎さんが「とても履きやすい」と喜んでくださったそうです!
スタッフの方が写真を撮って来てくれました。

この下駄以外にもご協力させていただいたのが、エキストラの下駄。
ドラマが描く時代、日本人は日常的に下駄を履いて生活していたので、登場する俳優さんの他、エキストラの皆さんの履く下駄も大量に必要。
担当スタッフがお困りになっていたのを見て、下町のおせっかい気質で、下駄を集めるお手伝いをしたのでした。
全国の皆さんに「ご自宅にいらない下駄があったら譲ってください」とSNSで発信したところ続々と集まり、おそらく100足くらいになったと思います。
すべて撮影現場へ送り、とても喜んでいただけました!ご協力くださった皆さま、今更ながらありがとうございました!

撮影がスタートした頃(2018年夏)、ドラマの芸能考証・指導を担当された琵琶奏者・友吉鶴心さんのご案内で、浅草の仲間達と一緒に撮影現場を見学させていただきました。
浅草出身の友吉さんは、俳優さんの「浅草ことば」も指導されたそうです。たとえば志ん生の娘役だった小泉今日子さんにも!
友吉鶴心さんへの和装人インタビューはこちら https://getaya.jp/interview/interview62/


場所は茨城県つくばみらい市にあるロケ施設「ワープステーション江戸」。
NHKの時代劇は、ほとんどこちらで撮影されているとか。

広大な敷地に時代劇のオープンセットが立ち並んでいて、その中の一角に大正時代の浅草・六区の街並みが再現されていました。

古い写真や映画で観た、昔の浅草の街にタイムスリップ!
私の曽祖父が福井から東京へ出てきて、履物屋を始めた頃の浅草は、こんな感じだったのか…
路面電車まで走っていて一同大興奮だったのでした!

履物屋さんの屋台まで!

浅草十二階こと「凌雲閣」のセット、上部分はCGだったんですよ♪

そんな思い出とともに、明日のオリンピックの開会式をテレビで観たいと思います。


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