浪曲、未来を拓くために

先週土曜日、両国の江戸東京博物館大ホールにて開催された浪曲大会『浪曲、未来を拓くために!』へ行ってきました。
昼『継承』、夜『躍進』の2部制で、私は十数年来応援している玉川奈々福さんが担当する夜の部へ。
開演が夕方早い時間だったので無理かなぁと思っていたところ、ご近所の呉服店「ほてい屋」の女将さんから「チケット2人分買ったからね」となかば強制的に誘われたんです(笑)

8年前にインタビューした記事はこちら
第50回 和装人インタビュー 玉川奈々福さん https://getaya.jp/interview/50/

江戸東京博物館大ホール


東家三可子さん、天中軒すみれさん、国本はる乃さんといった二十代、三十代の若手中心の出演者たち。まさに躍動感あふれる芸に痺れました。
観て良かった~!!ほてい屋の女将さんに感謝です^o^
「浪曲って、おじさんがだみ声で唸ってる古臭い芸能でしょ」と思っている方、ぜひ一度若手の舞台を観て欲しい。
あるいは「古典芸能って難しいんでしょ」と尻込みしている方、浪曲は大衆芸能だから全然難しくないんですよ~!

名披露目のお祝いに、辻屋本店の雪駄を

この日、出演者のひとり真山隼人さんが急病で、代演で天中軒景友さんが演じました。
来月、浅草・木馬亭で名披露目する景友さん。節(曲師の弾く三味線を伴奏としてうたう部分)は今一歩という感じですが、啖呵・たんか(語りや対話の部分)の表現力は、まだ前座と思えないくらい。
私が言うのも偉そうですが、これからが楽しみです!

実は先日、奈々福さんが景友さんに名披露目のお祝いで草履を贈られるということで、お二人でご来店されました。
なんて面倒見の良い奈々福先輩!

竹皮を編んだ昔ながらの畳表雪駄のほか、牛革エナメルの高さがある草履や、印伝・ホースヘアなど革雪駄など、素材や構造をひととおりご説明したところ、景友さんは本格的な畳表の雪駄を選んでくださいました。
鼻緒は焦げ茶の印伝。渋好みなんですね^o^

ギタリストで浪曲師!

天中軒景友さんは浪曲界に入る前、スペインでギタリストとして活躍されていたのだそうです!(現在も長尾景友として活動)
キューバ、イタリア、スペインのミュージシャンと共に「カルテット・ナガオ」を結成しスペインやポルトガルの音楽フェスティバルに出演、またアルゼンチンタンゴのギターソロで国際タンゴ・サミットにも出演されていたと、プロフィールにありました。https://nagaokagetomo.com/

スペインの乾いた風土とは真逆な、湿度の多い日本。
その伝統芸能の中でもいちばん湿度の高いであろう浪曲。
対局にありそうな2つを演じるって、おもしろいですねぇ!


最近の浪曲界は若手や多種多様な顔ぶれが次々と入門していて、目が離せません。
曲師(三味線)も若い人たちがずいぶん増えたし、浪曲の未来は明るいぞ!と感じます。
浅草・木馬亭では毎月、浪曲の定席があります。木馬亭の雰囲気もオススメなので、ぜひ一度足を運んでみてください。
木馬亭 http://mokubatei.art.coocan.jp/

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