【着物で隅田川散歩<歌舞伎編#1>】レポート
店主の富田里枝です。
4月6日に開催しました『着物で隅田川散歩<歌舞伎編>』第一回目は、絶好のお散歩日和でした!
参加者9名、私と講師の仲野マリさん総勢11名で隅田川沿いを歩きました。
前々日の雨で散ってしまったかと思いきや、桜がまだ残っていて、歩道には散った花びらがピンクの絨毯のようになっておりました。
スタートは辻屋本店
まずは辻屋本店に集合、マリさんが作ってくださった資料をお配りして出発!
隅田公園からリバーウォークを歩いて隅田川を渡ります。
リバーウォークは2年前に完成した、東武鉄道の線路の下を歩ける橋です。
隅田川を渡って向島へ
隅田川の向こうは墨田区。最近、スカイツリーにかけて整備されているミズマチエリアです。
江戸時代、水戸徳川家の蔵屋敷があった場所で、上屋敷の小石川邸が明治初めに砲兵工廠となったためここが徳川昭武(15代将軍慶喜の弟)の本邸となったそうです。
本所総鎮守である牛嶋神社。体の悪い部分をさすると治るという撫で牛がいます。
墨堤から見る三囲神社の鳥居
牛嶋神社でお詣りした後、墨堤へ出て三囲神社の鳥居を確認。
歌舞伎の大道具で描かれる鳥居は、墨堤から見るのが今回のポイントです。
三囲神社は江戸時代、俳人 宝井其角(たからいきかく)が雨乞いの句を詠んだことで有名になりました。
また「囲」が「(三)井」を囲んでいることから「三井を守る」ということで、江戸時代から三井家に鬼門除けとして崇拝されてきました。
三井越後屋を継承する日本橋三越本店の屋上には分霊が祀られています。
境内に通称「三囲のコンコン様」と呼ばれる目元の優しいお狐様や、三柱鳥居など見どころがいろいろ。
講師のマリさんのお話では、歌舞伎に登場する三囲神社はちょっと妖しい、この世とあの世の境目のような場所としてで描かれることが多いそうです。
『桜姫東文章』では重要な場面で三囲神社が出てきます。片岡仁左衛門丈と坂東玉三郎丈が36年ぶりに共演した舞台が話題になりましたね。現在、シネマ歌舞伎で上映中です。https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/46/
六花街のひとつ、向島花柳界
神社の少し先には向島見番があります。
2階から三味線や唄の音色が聴こえていました。
そんな風流な佇まいを楽しんで、お昼は料亭街にある割烹「平岡」さん。
この日のために特別メニューをご用意いただきました。
個室でゆっくりお料理を味わって、休んだ後は長命寺の桜餅!
今月の歌舞伎座で上演されている『荒川の佐吉』では、最後の場面に長命寺の茶店が出てきます。私も初日に観ましたが、人情味あふれる切ないお話です。
物語の見どころ、おもしろさをマリさんが解説してくださいました。
四月大歌舞伎 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/750
皆さんそれぞれお土産を買い、また墨堤へ出て桜橋を渡ります。
平成中村座発祥の地
渡ったところには「平成中村座」の記念碑。
マリさんが勘三郎さんの思い出などを語ってくださいました。
平成中村座 https://heisei-nakamuraza.com/
すぐ向かいに待乳山聖天さま。この日はご案内だけでしたが、時間があればこちもお参りしたいスポットです。
このあたりが猿若町。浅草六~七丁目です。
作家・池波正太郎はこのへんが生誕地だそうです。
現在は靴のメーカーや問屋が多く(最近はマンションに替わりつつありますが)、その前は和装履物関連の職人や問屋が軒を連ねていました。
江戸時代末期には猿若三座と呼ばれた芝居町があった場所です。
歌舞伎やその他の舞台で小道具を作っている藤浪小道具さんだけがその名残を留めています。
ゴールは浅草寺!
そして助六でお馴染み、花川戸を通り抜け、二天門をくぐり、浅草神社と浅草寺でゴール!!
お陰さまで一人も脱落者は出ず、歌舞伎のお話をしながら楽しくお散歩できました。
第二回目もどうか晴れますように♪
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