【第三期 履物laboはきものがかり】第2回 開催報告

ーー 研究員の考察 ーー

hirokoさん

草木染めとひとことで言っても、紅花、茜、紫根、蘇芳、藍、槐樹、苅安など、植物や自然素材によって生まれる色は本当にさまざま。
染められた色とりどりの糸も美しく、赤や紫、黄色、青、緑、黒といった色が、花や根、実、樹皮、時には虫などから生まれることを知り、自然の中にこんなにも豊かな色があるのかと驚きました。
特に印象に残ったのは、日本の染色技術の奥深さです。
江戸時代には染めの技術が非常に発達し、茶色だけでも「江戸四十八茶」と呼ばれるほど多くの色があったというお話に、日本人の色への感性の豊かさを感じました。
マイトデザインワークスさんに世界中から草木染めワークショップ参加者が訪れ、予約もすぐに埋まってしまうというお話も納得できる、興味深く学びの多い時間でした。
10月には、今回学んだ草木染めで半襟や花緒を染める予定です。
どんな色を選び、どんな仕上がりになるのか今から楽しみです。
履物を通して、日本の文化やものづくりの魅力に触れられるのも、はきものがかりの大きな魅力だと感じました。
お香も草木染めも、自然の恵みを暮らしに取り入れる日本人の知恵。そんな共通点も感じられた一日でした。ありがとうございました!

mariさん

 着物好きさん、ナチュラルなお召し物好きさんでしたら少なからず興味があるのが草木染めでしょう。
私も「こちらは草木染めの○○でございまして‥」の甘い言葉にグラグラ揺らいだ経験が少なからずあります。ですが、いざ草木染めとは?の問いには、うーん、うまく答えられない。でも好き。非常に曖昧でした‥。
今回のはきものがかりではその答えがありそうな予感で、ワクワクしていました。
さて、蔵前にあるマイトデザインワークスさんのドアを開けるとまず気づいたのが鰹節のようなお出汁のような匂いです。
決して嫌な匂いではございません。研究生みんなで、はて何の匂い?から始まりました。
無駄のないライティングがお洒落な空間に、艶やかな糸の束が色別に並べられ、天井からは黒系の糸が幾重にも吊られています。
お話してくださるのは、マイトデザインワークスの代表の小室さん。
まずは伝統的な染料の材料について、サンプルを見ながら説明していただきました。
ピンクに染まる桜、黒系のヤシャブシ、五倍子、紫系のカイガラムシ、紫根、蘇芳、エンジ赤
オレンジ系の紅花、茜、黄色系の柘榴、ヤマモモ、エンジュ、カリヤス。どの色も魅力的で美しい。
天然染めに黄色や茶系が多いのは自然の中の色ということでなんとなくわかる気がしました。
緑は何から?と思っていたら、答えは‥実は緑は単体では作れないそうです。(えー、びっくり。あー、でも料理で緑の葉を潰したら擦ったりした時を思い返すと酸化しちゃってすぐにくすんだ色になりますものね。)なので、藍と黄色系植物で作ったりするそうです。

続いて、藍染について。大きな直方体のケースの下の方に黒っぽいちょっとぶつぶつしたような液体と固体が混ざったようなものが‥前述した匂いの正体がこちらでした。
藍染は着物にして着ると魔除け、厄除け、病厄けになると言われています。
私もコロナの時に結構な回数着て、武装しておりましたことを思い出します‥。

小室さんのお話で、人は何故染めて着装したのか?というお話がありました。
お洒落、防寒、だけではない。わざわざ植物を選んで染める行為は、植物のエネルギーを体に取り込み、エネルギーをいただくため。
お話を伺い、染めの技術は受け継がれ守っていかなければいけない日本の伝統的作業であり芸術なのだと改めて思いました。
さて、はきものがかり第三期生の私たちは草木染めで半衿を染めるのですが何色を選ぶのでしょう。ワクワクは次回へ‥。

chieさん

着物を着ることはあっても、「色」がどのように生まれるのかを知る機会はなかなかありません。
紅花、蘇芳、紫根、藍、ざくろ、山桃…。自然の中にある草木や実、時には虫までもが、美しい色を生み出してきたことに驚きました。
特に印象的だったのは、私たちが当たり前に見ている緑色。
実は草木染めでは単独で出すことが難しく、いくつもの色を重ねて作り出すそうです。
そして藍だけでも50色以上。
日本の色の豊かさは世界一とも言われるほど。
昔は染め屋も藩のお抱えで、庶民にとって美しい色は憧れの存在だったそうです。
着物を学ぶたびに感じるのは、日本人が大切にしてきた美意識の繊細さ。
一枚の着物に込められた色の背景を知ることで、これから着物を見る目も少し変わりそうです。学びの多い一日でした。

akikoさん

まず、工房に入った瞬間、和食のお出汁のような美味しそうな香りが。
「キッチンが近くにあるのかな」と思いきや、その正体は、発酵した藍染液の匂いでした。
よく藍染めの資料で、床に埋め込まれた大きな甕(かめ)に発酵させた藍液が泡立っているのを見かけますが、こちらの工房ではもっと大きくて、人の腰高よりも深いステンレスのお風呂のような容器に、発酵して泡だった藍液が溜められていました。
というのも、こちらには全国の神社仏閣などからの染めの依頼もあり、老舗デパートの暖簾(のれん)など、大きな布でも染められるよう、ここまで大きな藍甕が必要なんだそう。
美しいカラーグラデーションに並ぶ染め糸と、それらを染めるために使われた草木や自然素材が小皿に置かれていて、代表のマイトさんがひとつひとつ丁寧に説明をしてくださいました。
自然の植物や生き物、土から、糸に色を移す。
桜、茜、五倍子、蓼藍、紫根、紅花、柘榴、・・・
素材は果実、樹皮、根、種子、花びら、葉など、色の出る部位がそれぞれに違う。中には、枝に虫が寄生して膨らんだコブの部分などの貴重な素材も。
そして素材そのものの色と、糸に移し出される色がまったく違ったり、媒染に使う鉱物や灰によっても色の出方が変わるなど、奥が深くて面白いと感じました。
日本では縄文時代からずっと、自然のもので糸や布を染める文化があった。
飛鳥時代の冠位十二階から染色技術が高まり、ときに途絶え、また後世で復元させたりしながら、現在にいたるまで継承されてきた。
それができたのは「日本が平和な国であった」からこそ。マイトさんのそんな一言も印象的でした。
最近では、若い人たちや海外の方も、草木染めに関心が高いようで、こちらの工房のワークショップは毎月募集を開始した瞬間に満席になるほど大人気!
また、その土地でしか出せない自然の色を求めて、地方で活動する人が増えているのだそう。それと相まって、養蚕や日本の伝統的な染織を復活させようとする若者の動きもあるそうで、聞いていてワクワクしました。
次回の勉強会は、下駄の鼻緒と半衿用の布を実際に染めるワークショップということで、今からとても楽しみです。

mimiさん

一番印象に残ったのは、人はなぜ布を染めるようになったのかというお話です。
寒さをしのいだり体を隠したりするだけなら、そのままの布でも十分なはずなのに、それでも人は色を取り入れることで、生活に彩りを求めてきたという話がとても印象的でした。
そのために、身近な植物からさまざまな色を作り出し、それを身に纏うと考えたことが、とにかくすごい!と思いました。
昔は今みたいに何でも手に入る時代ではなかったからこそ、そこまで突き詰めることが出来たのか。
ファッションって昔から人の心を豊かにするものだったんだ、今も昔も感性は似てるんだなと知れたのが面白かったです。
また、着物には季節を少し先取りする文化がありますが、四季のある日本だからこそ、冬に春を待ちわびたり、夏にはこれから来る秋を楽しみにしているようなモチーフも多く、冬は温かさを感じる暖色、夏は涼しさを感じる寒色が多いですよね。
やはり、当時の人々は次の季節への期待を色に込めたりしていたのかなと思いました。
私はまだ着物一年生ですが、着物の世界は思っていた以上に奥が深くて、色ひとつにも歴史や人々の暮らしが感じられてどんどん引き込まれます。
そういえば私は子どもの頃からカラフルな世界が好きで、色の名前の辞典を持っていましたし、色鉛筆もたくさん集めていました。
今思うと、その頃から色合わせが好きだったのかもしれません。
着物に惹かれたのも、そういうところが原点だったのかなと今回の講義を聞いて改めて感じました。
また、次回もどんなお話が聞けるのか、今から楽しみです!

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