フォーマルでも履ける最初の一足を選ぶ

四代目店主 富田里枝です。
先日、お客さまからメールで次のようなご相談がありました。

子どもの入学式に和装で参加する際の草履

「息子の入学式に和装で参加する予定なのですが、ふだんはカジュアルな着物しか着ることがないため、下駄またはカジュアルな草履しか持っていません。
息子はおばあちゃんを入学式に呼びたいと言っているのですが、緊急事態宣言で人数も規制されていますし、実家は関西なので、わざわざ東京に来るのも難しいです。
そこで、亡き祖母から母に受け継がれた着物を私が着ることで、おばあちゃんも入学式に連れて行けるね、と納得させて、訪問着を実家から送ってもらいました。
ある程度、着物と格が合うお草履をいくつかご紹介いただけませんでしょうか。」

そして、地がクリーム色で松竹梅やおめでたい柄が描かれた美しい訪問着の写真を添付してくださいました。
「祖母から母と受け継がれた訪問着を着ることで、全員連れて行く」
なんて良い話!着物ならではの物語ですよね♪

セミフォーマルからお洒落履きまで対応できる一足は…?

私が返信したのは以下のとおり。

フォーマルしか履けないタイプはもったいないと思うので、セミフォーマルからお洒落履きまで対応できるものを選んでみました。
ポイントは無地の台で、白またはパステルカラーを選ぶこと。
鼻緒を帯地など織りの鼻緒に替えると、よりフォーマル度は高くなりますが、ふだんには使いづらくなります。

まずは「かさね」シリーズです。

台は合成皮革で価格を抑え、鼻緒は牛革を使用しています。
ふだん着物からセミフォーマルまで幅広く履けますが、お召し物の色から考えると白・クリーム・白鼠・藤鼠あたりがよろしいかと思います。
ただこちらのシリーズは赤系の前坪なので、着物警察に何か言われるかもしれません。
(赤坪はフォーマル絶対ダメということではないのですが)
その場合、前坪だけ白に替えることもできます。

「かさね」シリーズの台は合皮素材なので、耐久性は5~6年くらいです。
履かないでしまいっぱなしだと、どうしても劣化してしまいます。
鼻緒は革なので長持ちすると思いますので、もし台が劣化してベタベタしたりポロポロ剥がれてしまった場合、台のみ新しくすることも可能です。

商品はこちら >>> 【かさねシリーズ】

次に、「牛革型押しシリーズ」は、すべて牛革なので耐久年数は長いです。
段を重ねるとお値段が上がってしまうので、一段にしています。
フォーマルは高さがないといけないとおっしゃる方もいますが、それは間違いです。
程よい高さであれば問題なく、段がなくても構わないです。

「紗綾型」

商品はこちら >>> 【牛革型押し 紗綾型】

「鮫小紋」

商品はこちら >>> 【牛革型押し 鮫小紋】


どちらも淡い色であれば、お召し物に似合うと思います。

草履の素材はお値段と耐久性の比較

もし予算オーバーでしたら、ウェブショップにUPしていない3段の合皮草履がございます。
こちらは台も鼻緒も合皮素材で、お値段は¥17,000(税別)です。
やはり耐久年数は5~6年だと思います。
合皮だからといって履き心地が悪いわけではなく、見た目は革か合皮かわからないです。
しょっちゅう履く機会がある方でしたら元が取れると思いますが、1年に1度履くかどうか…という方の場合は、数える程しか履かないうちに劣化してしまうことがあります。
お値段と耐久性の比較、といったところでしょうか。

もうちょっとご予算がある場合は「基本の五分三枚シリーズ」もおすすめです。
こちらはパステルカラーなので、どのお色を選ばれても大丈夫です。

商品はこちら >>> 【基本の五分三枚シリーズ】

ご相談のお客さまは、どのタイプの草履をお選びになるのでしょうね!
このように、お召しになる着物だけでなくシチュエーションや、それぞれのご事情などをお聞きして履物のご相談に乗りますので、どうぞお気軽にお問合せください。

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『着物でおでかけ安心帖-美しい着つけとコーディネート』大久保信子監修
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