着物に似合う和髪の原点は…?
日本の長い歴史の中で、女性の髪型はさまざまなスタイルが現れました。
現代は自由なヘアスタイルを楽しむことができますが、着物を着る際に、ふっくらとボリュームのある、まとめ髪のアップスタイル、雑誌の着物モデルさんのような「和髪」と呼ばれる髪型があります。
そう、美容家・タレントのIKKOさんみたいなヘアスタイル!
なぜあのように、ふっくりした丸い形になっているのでしょうか。
毎月配信している「ニッポンのポン」第14回目のテーマに「髷(まげ)」を取り上げたので、あらためて日本女性の髪型の歴史を調べてみました。
とても参考になったのが、ポーラ文化研究所のウェブサイト。
写真や画像も豊富でとても分かりやすく、読んで楽しく勉強になりました!
ポーラ文化研究所
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/nihongami/001.html
1200年間の髪型の変遷
平安時代、貴族の女性たちの髪型は、源氏物語絵巻に登場する姫たちのような、長い黒髪をまっすぐに垂らす「垂髪(すいはつ)」でした。
![](https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/2019/10/24/b6f0e71b74659a24047b7dd6314c4c6ac1ddb0c1.jpg)
鎌倉、室町、安土桃山と貴族から武士の時代になると、着物が活動的な装いなり、同時に髪型も邪魔にならないよう、長い髪を束ねるようになります。
髪を一本に結んだ「下げ髪」、一本に結んだ髪の先を輪に結んだ「玉結び」が上流階級から庶民まで広く結われた髪型でした。
![](https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/2019/10/24/a288b09cf39aa555c70d4aefd7930c9fac37c79c.jpg)
安土桃山時代に、遊女たちが結う「唐輪髷(からわまげ)」が登場します。
高い位置で結い上げたアップスタイル、つまり「結髪」です。
結った髪を折り曲げて作られる部分、髷(まげ)の誕生でした。
これが日本髪の原型といわれます。
![](https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/2019/11/28/edf47895191f586868b55fffbbd047ca0c20e85c.jpg)
江戸時代になると「唐輪髷」をベースに、4つの結髪が誕生。
兵庫髷(ひょうごまげ)、島田髷(しまだまげ)、勝山髷(かつやままげ)、笄髷(こうがいまげ)という日本髪を代表する4つの基本の髪型が江戸時代前期に作られます。
江戸時代には数百種もの日本髪が現れ、年齢や職業、地域や身分、未婚・既婚などで結う髪型が違っていました。
![](https://getaya.jp/wp-content/uploads/2022/02/IMG_8332.jpg)
日本髪の構成
日本髪を構成しているのは4つのパートです。
「髷(まげ)」:結った髪を折り曲げて作られる部分
「前髪(まえがみ)」:おでこの上の部分
「鬢(びん)」:両サイドの部分
「髱(たぼ)」:襟足に近い部分
![](https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/2020/01/16/004_key.jpg)
明治維新後、西洋化するヘアスタイル
江戸幕府が崩壊し、明治4年(1871年)に断髪令が出され、男性は髷を切りましたが、多くの一般女性は着物で生活し、日本髪を結っていました。
明治18年に「婦人束髪会」が日本髪は不便で苦痛である、不衛生である、不経済で生活に支障をきたす、として洋髪をすすめると「束髪(そくはつ)」が大流行。
イギリス結び、西洋上げ巻きなどさまざまなスタイルが作られ、雑誌や新聞に登場します。
大正時代に入ると、前髪と鬢(びん)を分けずに大きく膨らます「ひさし髪」や、
両サイドの髪にウェーブをつけ耳を隠した「耳隠し」が流行ります。
そして大正末期になると先進的な女性たちの間で「断髪」が流行し、モダンガールと呼ばれるように。
そして昭和10年頃「パーマネント・ウェーブ」の普及により、ウェーブヘアが広まります。
![](https://www.qjnavi.jp/special/wp-content/uploads/2021/04/32b18845694a4568ef17e7a59de4a9b2.jpg)
参照:re-questQJ navi 美のプロなら知っておきたい明治・大正・昭和のヘアトレンド
https://www.qjnavi.jp/special/sense_skills/hairstyle_history/
自分で和髪を簡単にできるアイテムが充実!
「第14回ニッポンのポン」は「髷(まげ)」がテーマで、ゲストは浅草の老舗かつら専門店「コマチヘア」の4代目、岩崎孝俊さんにご出演いただきました。
コマチヘアは大正14年創業で、かつらだけでなく、かんざし、舞台化粧品も扱う専門店です。
美容院・理容院もされていて、まさにヘアスタイルの総合サービス。
コマチヘア公式ホームページ https://www.komachi-hair.co.jp/
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![](https://getaya.jp/wp-content/uploads/2022/02/IMG_8329.jpg)
「コマチヘア」さんには、和装に似合ういろんな種類の髷、つまりヘアピースがあります。
私はセミロングなので普段は自分で適当にまとめていますが、お出掛けの際に美容院に行く時間がない時など、コマチヘアさんのヘアピースはとても重宝。
大きさや色も種類がたくさんあるので、似合うヘアピースがきっとみつかります。
![](https://getaya.jp/wp-content/uploads/2022/03/IMG_8338.jpg)
![](https://getaya.jp/wp-content/uploads/2022/03/IMG_8337.jpg)
お洒落用ウィッグのお店は他にもたくさんありますが、これほど和装に似合うウィッグ・ヘアピースが充実している専門店は、全国的にもめずらしいと思います。
また男性用かつらや医療用かつらも取り扱っています。
「ニッポンのポン」ではヘアピースの付け方も実演してくださいましたので、ぜひ動画をご覧ください♪
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