茶道を始めたら持っておきたい草履は?
まずは色無地?
四代目店主の富田里枝です。
20代の頃、近所の茶道教室に10年程通っておりましたが、その頃は母任せで何を着ていたのかよく覚えていないのです。
40歳過ぎて再開した折には母は亡く、自分で頑張るしかなくなって、先生や先輩にうかがいながら悩みつつ着物を選んだものです。
茶道を始めたら、まずは色無地と聞きます。
お稽古のときは紬や小紋でよいのですが(お仕事帰りなどは洋服でも)、お茶席には色無地をお召しになる方が多いようです。
私が通っていた教室では、初釜の際は訪問着や付け下げの方もいらっしゃいました。
お茶の世界は先生によって考え方が違うこともありますので、迷ったらご指導を仰ぐことをおすすめします。
私が信頼する呉服店、東京・蒲田の「丸や」さんが茶道の着物についてブログに書かれていますので、ご参考に。
https://www.kimono-maruya.com/read/detail/id=122
お稽古の行き帰りに向く履物は?
では、履物は何を揃えたらよいのでしょう?
お稽古の行き帰りは、下駄でも草履でも履きやすいもので構わないと思います。
福岡にいた頃、通っていた教室に舟形下駄を履いてお稽古に行くと「草履型の下駄があるのねぇ!」と珍しがられました。
軽くて履きやすいし、下駄の中ではわりと「きちんと」見えるので、お稽古などにはちょうどいいと思います。
また草履の場合は、あまり高さがない方が歩きやすく普段づかいには向くでしょう。
一寸一枚の「寸丸草履」はお値段もお手頃で、普段づかいには気楽に履けます。
男性の場合も、お稽古着として着流し、また絹以外の木綿やウール着物に合わせるのであれば、下駄でも雪駄(草履)でも構わないと思います。
あまり奇抜なデザインや派手な色は選ばないほうがよいかもしれませんが…。たとえばこんな感じ。
茶席にはどんな履物が正しい?
次に、茶席で着る色無地に合わせる履物について。
あまり金銀ギラギラの草履よりも、白または淡い色の無地の革草履が向いていると思います。
高さはお好みですが、5~6センチくらいが程よいでしょう。段の数は関係ありません。
辻屋本店では色無地に合わせる草履で、牛革型押しシリーズが人気です。
玄関先に履物が並んだ際、型押しシリーズは他の草履と間違いにくいのがその理由。
どうしても白っぽい似たような草履が並びがちですから。
鮫小紋と紗綾型の格調高い柄ですし、薄萌葱色や桜色といった上品な色調で、お持ちの色無地に合わせやすいシリーズです。
前坪の色も、赤はちょっと気が引けるという方は、他の色に替えることもできますのでご相談ください。
大寄席の茶会や社中の集まりなどで、小紋や付け下げを着る際にも、もちろん履いていただけます。
「基本の五分三枚シリーズ」もおすすめです。
色無地から付け下げ、訪問着などはもちろん、よそゆきの紬・小紋にも履いていただけます。
白+12色展開。最初の一足に選ぶ方も多いシリーズです。
鼻緒はそのままでもよいですし、名物裂などの鼻緒に替えると、よりいっそう茶人の雰囲気が味わえるかも…
店内にはまだまだたくさんフォーマル用の織りの鼻緒をご用意しております。
男性が茶席に履くべき雪駄・草履
男性の方が茶席にお召しになる着物は、基本的には先染め一つ紋のお召に袴。
履物は畳表の雪駄(または草履)を一足お持ちになっていれば、気軽な大寄せの茶会から格の高い茶事まで対応できます。
鼻緒は無地の落ち着いた色がよいでしょう。
こちらは淡い鼠色の牛革。他にも淡いベージュ、クリーム色などが向いていると思います。
革以外の素材では、正絹地の鼻緒もございます。
畳表の雪駄(または草履)以外でしたら、辻屋本店の伝統色シリーズは、落ち着いた色調でありながら洒落たデザインで履き心地も良く、茶道をされる方に好まれています。
格の高い茶事・茶会で第一礼装の黒紋付+仙台平の袴を着る場合は、畳表の雪駄(または草履)に白の無地鼻緒と決まっています。
茶名を許された人に限り、着流しの上に黒の紗の「十徳(じっとく)」の着用が正装とされるそうですが、こちらも履物は畳表の雪駄に白鼻緒がよろしいかと思います。
網目は少し粗くなりますが、野崎表雪駄でも白鼻緒を挿げれば第一礼装に合わせることができます。
お値段と「格」は比例しないのが和装のルール。
たとえば通常どんなに高価な結城紬でも、結婚式の礼装にはならないですよね。
ちなみに「雪駄」は千利休が考案したという説があります。
確たる証拠はないようですが、茶の道を志す者にとっては身近な履物ですね。
辻屋本店『履物豆知識・雪駄とは』 https://getaya.jp/knowledge/knowledge_setta/
お茶会当日、雨だったら
友人との食事や観劇などのお出掛けが雨降りだったら「今日は洋服にしましょう」で済みますが、お茶会でお役目がある場合は、着物を着るしかありません。
そんな時には雨用の草履があると安心です。
いくら足袋カバーを履いても、本降りの時には爪革付きでないと厳しいですよね。
こちらの雨草履シリーズは、しっかりつま先カバーされているので、足袋も濡らさずにすみますし、色無地にも似合う上品な色づかいです。
男性用はこちら。
辻屋本店では、台と鼻緒の組み合わせが自由にできます。
茶道を嗜む方々におすすめのお履物は、他にもたくさんございますので、どうぞお気軽にご相談ください。
サイズについてご心配な場合も、メールや電話でお問合せいただければ幸いです。
またzoomを使ってオンラインで直接お話しもできるサービスもありますので、ぜひご利用くださいませ。
リモート来店ご予約はこちら https://getaya.jp/remote-reservation/
※茶室の写真は「せたがやなでしこ会」様よりお借りしました。
初心者にも丁寧に教えてくださいますので、ご興味あるかたは私にご連絡ください。
コメント
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。