古典芸能好きにはお馴染み お能「隅田川」ゆかりの木母寺
ドラマ「俺の家の話」は能楽師のお話し
四代目店主 富田里枝です。
現在放送中TBSテレビ「俺の家の話」。ご覧になってますか?
長瀬智也が扮する主人公は、能楽師の家に生まれたものの、人間国宝である父親(西田敏行)に認めてもらえず、プロレスの世界へ入り一躍人気者に。
ところが父危篤の報せを聞いて25年ぶりに実家に戻り…という話。
伝統芸能の堅苦しい内容ではなく、クドカンこと宮藤官九郎さんの脚本なので、とても面白くて毎回大笑いしてます。
衣装協力で、辻屋本店の履物を使っていただいてます♪
先週放送に出てきた能の演目「隅田川」。
人買いにさらわれた我が子・梅若丸を探し、都から武蔵国の隅田川まで流浪した母親が、愛児の死を知り、悲嘆にくれるという悲しい物語です。
観世十郎元雅によって作曲され、室町時代より「隅田川物」として能楽をはじめ浄瑠璃、歌舞伎、舞踊などの演目として盛んに上演されてきたので、古典芸能好きのかたにはお馴染みですね。
江戸時代は景勝地として賑わった古刹
梅若丸を供養するために建てられた念仏堂は、やがて梅若寺と名付けられました。現在の墨田区、隅田川にかかる白髭橋の近くにあります。
鎌倉時代、源頼朝が奥州遠征の途中に参拝し、室町時代には太田道灌が訪れ、梅若塚を改修したと伝えられています。
安土桃山時代、徳川家康より「梅柳山」の山号が与えられ、江戸時代には木母寺と改名され、多くの参拝者を集めたといいます。
明治維新の廃仏棄釈によって廃寺され梅若神社となっていましたが、明治21年(1888)、仏寺として再興、木母寺に復帰したとのこと。
このあたりは江戸幕府の別荘「隅田川御殿」も建てられ、庶民も行楽に訪れる景勝地でした。
周囲の景観は激減したけれど
現在、周囲の景観は大きく変わり、13階建て18棟の都営白髭東団地がそびえ建っています。
木母寺も団地内の広場の奥でちょっとわかりづらい場所にありますが、これほど歴史あるお寺がここにあること、もっと知られてもいいのになぁと思います。
隅田川沿いはちょうど桜が見頃です
境内にある「梅若塚」。貞元元年(976)梅若丸が亡くなった場所に、僧の忠円阿闍梨が塚を築き、柳の木を植えて供養したといわれています。
梅若念仏堂はガラスの囲いに覆われています。
この地域は防災拠点なので、木造建築物は不許可だからとのこと。
天台宗 梅柳山木母寺 公式ホームページ
https://www.mokuboji.org/
ちょうど今、隅田川沿いは江戸時代より有名な「墨堤の桜」が見ごろです。
お花見散歩の折、ちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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