12年目の「鼓童」浅草公演
先週土曜日、佐渡の太鼓芸能集団「鼓童」の浅草公演「とこしえ」へ、お着物仲間とご一緒しました。
浅草公会堂での公演は今年で12年目となります。
私が「鼓童」と初めて出会ったのは23年前。
夫の転勤で新潟に住んでいる頃、鼓童が毎年、佐渡で開催する「アース・セレブレーション」を観に行ったのが最初です。
1988年より開催されており、「祭典」という意味の「フェスティバル」ではなく、「祝福」という意味の「セレブレーション」という言葉が用いられているのは「地球や自然の恵みに感謝し、祝福する」という気持ちが込められているからだそうです。
メインイベントである城山コンサートは、自然豊かな野外空間で行われていました。
森の中のステージで、静寂の中から突如、大太鼓のドーン!という音が響いたときの感動は今でも覚えています。
世界各地で公演している鼓童ですが、城山コンサートには毎年、海外からのアーティストも参加しており、私が聴いたのはインドのザキール・フセインさんの演奏でした。
アース・セレブレーション アーカイブ https://archive.earthcelebration.jp/
年月が経ち、私が実家の辻屋本店を継ぐことになった2012年に、鼓童が浅草での特別公演をスタートしたことに、不思議なご縁を感じます。
コロナ渦以前は浅草に事務所も構え、スタッフの中には三社祭で神輿を担ぐ人も。
当初は私以外の浅草の人たちは誰も鼓童を知りませんでしたが、年々馴染んでくるとともに町の人たちとも親交を深め、今では「お帰り!」と迎えるほどに。
鼓童と浅草は相性が良いのかもしれません。
辻屋本店は特別観覧席取扱店に指定していただき、4月頃から良い席を予約できるので、メールマガジンなどでお客さまにご案内しています。
今年は、和太鼓が好きそうな数名をお誘いしたのですが、思った通り皆さんとても感動し、喜んでくれました。
ランチは浅草の老舗割烹「一直」さんへ
土曜日の昼公演だったので、終演後に観音裏の割烹「一直」さんでランチ。
白木の清々しいカウンターで、美しい器で鯛茶漬けをいただきました。
御年90歳の大旦那さんは、辻屋の先代と仲良しだったそうで、新橋の売れっ子芸者さんに草履を届けた話を聞いたことなど、昔話をいろいろ聞かせてくださいました。
調理台の後ろにあった蒔絵の砥石には葵の御紋と梅が描かれており、聞いてみると、水戸徳川家下屋敷が向島にあったことから、水戸の殿様から拝領されたものだとか。
また浅草芸者衆の写真や所属の置屋名や趣味、嗜好品などが載っている冊子が何冊もありました。
昔は芸者さんが大勢いたので、お座敷によぶ際のガイドブック的なものだったらしいです。
結成40年経っても変わらないのは…
ちょっと脇にそれましたが、鼓童の演奏は最初の感動そのままに毎年期待を裏切りません。
結成から40年以上経ち、メンバーは入れ替わっているのに、その真髄が変わっていない。
他にも太鼓を演奏するグループはいろいろありますが、彼らの太鼓は単にかっこいい、楽しいというだけでなく、心の奥底にある何かを思い出させてくれる、懐かしいような、プリミティブなものを感じます。
昨日、全公演を終えたメンバー達と、どぜう飯田屋さんで打ち上げに参加させていただきました。
大太鼓を務めた三枝晴太くんがお隣の席だったので、彼にそんな印象を話したところ、「研修生の時期に、鼓童の大切な部分がつくられるから」と話してくれました。
研修生の時期に鼓童スピリットが育まれる
鼓童に入団するとまず研修生として2年間、共同生活をします。
その間は携帯電話も使用禁止、研修生全員が一緒に畑仕事をし、食事も交替で作り、中学校の校舎だった木造建物の中で練習する毎日。
「ほとんどが辞めてしまう」そうです。今どき、一瞬でも携帯がないと不安になるのに2年間も使えないなんて辛いですよね~
研修所を修了した研修生は 2年間の成果をもとに準メンバーが選考され、 準メンバーになると約1年間、公演ツアーや様々な現場での経験を積みます。
その後、あらてめて選考されて正メンバーが決まります。
よほどの精神力がないと、舞台には立てないのですね。
「いくら演奏が上手くても、自分勝手で協調性がない人は鼓童で活動するのは無理」とも言ってました。
そんな鼓童の活動は公式ホームページからチェックしてみてください。
今年のアース・セレブレーションは8月16、17、18日。現在、城山コンサートではなく小木港でのハーバーコンサートなど、楽しそうな演奏スケジュールが公開されています。
Earth Celebration https://www.earthcelebration.jp/
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