文楽を観に行ったら、素敵な着物姿をお見かけしました!

店主の富田里枝です。
先日、国立劇場へ文楽を観に行ってきました。
古典芸能は歌舞伎と落語、時々浪曲、たまにお能で、私の休日は精一杯。
なかなか文楽までは広がらず、これまで片手くらいしか観たことがありませんでしたが先日、文楽の人形遣いの方がご来店されたので、これもご縁と足を運んだのでした。

文楽とは?

文楽は江戸時代、大阪で成立した人形浄瑠璃の一種です。
太夫・三味線・人形が一体となって上演され、これを「三業一体(さんぎょういったい)」といいます。
竹本義太夫の義太夫節と、近松門左衛門の脚本で大人気となった人形浄瑠璃。全盛期の1684年、大阪に竹本座が創設されます。
その後、豊竹座をはじめいくつかの人形浄瑠璃座が盛衰を繰り返したのち、幕末に文楽座が最も有力で中心的な存在となり、やがて「文楽」が人形浄瑠璃の代名詞となりました。

お座敷遊びの「とらとら」はコレなのか!

「初代国立劇場さよなら公演」の近松名作集ということで、上演されたのは『心中天網島』『国性爺合戦』『女殺油地獄』。
文楽に詳しい友人に相談したところ、近松だから心中ものがよいのでは…というアドバイス。
『女殺油地獄』は歌舞伎で何度か観ていて、凄惨な場面がちょっと苦手だなぁと迷いながら、結局時間の関係上『国性爺合戦』へ。
予備知識もなく観たのですが、「あーこれがお座敷遊び『とらとら』に出てくる和藤内と虎なのか~」と意外なところで気づきが(笑)。

「向島 千代田」のお座敷にて『とらとら』で遊ぶ芸者衆とお客さん。

ひときわ目を惹く着物姿の足元は…

私はオフの日だったのでカジュアルな洋服でしたが、客席には思った以上に着物姿の方をお見受けしました。
あくまで私の印象ですが、歌舞伎座よりシックな着こなしの方が多いような気がしました。
中でもロビーでお見掛けして素敵だな~と感じた女性は、草木染のような色合いの小紋、名物裂の帯をさらりと着こなし、からす表の重ね草履を履いていらっしゃいました。
竹皮の重ね草履を履いている人は、どの場面でもそんなに多くないので、見かけるとつい嬉しくなってしまうのですが、その方も通好みなコーディネートで、着物好きなことが伝わってくる着こなしでした。
私も休みの日だからといって洋服ではなく、次は着物にしよう、そして畳表の重ね草履を履いてこようと思ったのでした。

からす表かさね草履

その日に見かけた方の草履は名物裂のような鼻緒だったと思いますが、私が合わせた鼻緒は龍村織物の吉野間道。
趣味性の高い草履なので、せっかくなら個性的な龍村織物で格調高い古典柄に。
うーん、自分で履きたい!

気になる方はこちらへ。
「からす南部表2の5重ね草履」
https://getaya.jp/?p=67662

草木染で黒っぽく染めてあるこちらの「からす表」はお祝い事、式典などのフォーマルな場には履いて行けません。
ちなみに、染めていないナチュラルな色のかさね草履は、帯地・金糸銀糸など礼装用の鼻緒を合わせれば、第一礼装にも履くことができる、いちばん格の高い草履になります。

東京の国立劇場での文楽公演、次は5月。
太夫と三味線の味わい方など、いろいろ教えていただいてから観てみたいと思います!
国立劇場ウェブサイトはこちら
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/5512.html

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