中村鶴松さん浅草公会堂にて初の自主公演『鶴明会』
店主の富田里枝です。
6月5日(日)、浅草公会堂にて中村鶴松丈の自主公演「鶴明会」でした。
妹は昼の部、私は夜の部で楽しませていただきました。
鶴松さんの熱い想いが観客に伝わって、会場全体が感動に包まれ、本当に素晴らしい会でした!
先月、浅草を訪問してくださった鶴松さん。辻屋本店にもお立ち寄りくださいました。
下駄タップの『高杯』と毛振りの『春興鏡獅子』
演目は『高杯』と『春興鏡獅子』。
間に中村勘九郎さん・七之助さんのトークコーナーがありました。
『高杯』は下駄でのタップダンスが見どころなので、履物屋としても嬉しい演目。
次第にお酒に酔っていく次郎冠者を、鶴松さん楽しそうに演じていました(実際はすごく緊張していたはず!)。
『春興鏡獅子』は歌舞伎十八番のひとつ。
歌舞伎役者にとっては、それぞれ特別な思い入れがある舞踊だそうです。
鶴松さんも子どもの頃から憧れ、いよいよ夢叶っての自主公演に選んだのは、どれだけ想いが強かったのかと。
小柄で美しい鶴松さんの小姓弥生はとても可憐でうっとり。
それが後シテの獅子の精として登場した瞬間、息をのむほどの気迫!
同じ人が演じているとは思えない、圧巻の舞踊でした。
毛振りはかなり体力も消耗するそうで「1日に2回演じるのは僕も未知の領域」と七之助さん。
幕が降り、割れんばかりの拍手。
そして再び幕が開き、客席はスタンディングオベーション。
私もつい涙ぐんでしまいました。
勘三郎さん、来ましたね!?
トークコーナーで勘九郎さん、七之助さんが「僕たちは20数日間、公演が続くけれど、この1日、2公演だけというのは、どれほどプレッシャーだろうと思う」とおっしゃってましたが、鶴松さんは堂々と立派に演じ切りました。
お空の上で勘三郎さんも満足されていることでしょう。
前の方の席だった方から「ハエ、飛んでましたよ」とお聞きしました。
昼の部もいたそうです。
中村屋では、大事な場面でハエが現れると、勘三郎さんの生まれ変わりと言われているそうです。
浅草の有志が「浅草鶴松会」で応援し始めた頃はまだ学生だったから、いつの間にこんなに大人になったのだ!と感慨深いものがあります。
会場の抽選からパンフレットづくりまで、全部自分でこなしたとのこと。
大変だったと思いますが、2公演とも3階までびっしり満席のお客さま。
鶴松さん、初の自主公演に浅草を選んでくれて、本当にありがとう!
中村鶴松さんの公式ウェブサイトはこちら https://e-nakamuraya.jp/artists/tsurumatsu/
浅草が歌舞伎ファンにとって特別な街となりますように
今回、浅草槐の会の一部参加店が「鶴明会キャンペーン」を実施しました。
初めての試みでしたが、辻屋本店はお客さまの反応も良く喜んでいただけました。
浅草が、歌舞伎ファンにより楽しんでいただけるような町になっていけたらいいな。
新春歌舞伎もまた再開しますように。
こちらは鶴松さんの大ファンの方からのご注文、楽屋草履。
竹皮を編んだ畳表、底裏がフエルトで、名前のとおり楽屋で履くもの。
中村座幕の鼻緒で、お名入れもさせていただきました。
初の自主公演で、どうしてもプレゼントしたかったのだそう。
きっと喜んでいただけることでしょう!
コメント
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。