観光地とウィルス問題

9年前に家業を継いでいらい、なかなか休暇をとるのは難しかったのですが、昨年くらいから少しずつ、自分の時間もつくれるようになってきました。
というわけで先週、5日間の連休をいただき、屋久島へ!


浅草は自然が少ない。
隅田川は護岸工事されているし、緑といえば公園と浅草寺の境内くらい。
毎日ものすごい人、人、人。
生まれ育った街だから慣れてはいるけれど、時には静かな場所へ行きたくなる。

なぜ屋久島かというと、海と山どちらもあって、この時期でもさほど寒くなくて、とにかくのんびりできるのでは、と考えたから。

そして念願どおり、オフシーズンの島はどこへ行っても人が少なく、豊かな自然をたっぷり楽しんでまいりました。

屋久島は周囲130km、島の90%が森林で1000m級の急峻な山々がそびえ、日本一の雨量があるため川は急勾配であちこちに滝が流れ落ちています。
通常この時期は山に雪が積もり、道路が通行止めになることもあるのですが、幸運なことに今年は暖冬で、私達が行った期間は雨が降ったりやんだり。

もともと、がっつり登山するつもりはなく軽装でしたので、軽いトレッキングをするくらいでしたが、じゅうぶんに森の美しさを堪能いたしました。

山道を歩いていても誰かとすれ違うことはほとんどなく、夏に海亀が来る海岸もまるで貸切り。
おかげさまで良い休暇を過ごせました!

世界自然遺産に登録された屋久島はこの数年、外国からの観光客が激増し、樹齢3千年以上といわれる縄文杉には、夏のピーク時は一日1000人もの登山客が訪れるのだとか。

今、縄文杉はさぞやホッとしていることでしょう。
(あまりに登山客が多くなり弱っているのだそうです)

オフシーズンとはいえ、出会った外国人観光客はヨーロッパ系の家族1組だけでした。
やはり例のウィルスの影響でしょうか。

戻ってきたら、浅草も驚くほど静かでした。
元々、2月は催事やお祭がないので人が少ない時期ではありますが、それにしても静か。

中国語がまったく聞こえないのはあの大震災以来かも。
中国人はもちろん、欧米人も減っているようで、東南アジア系の観光客がちらほら。
いつも混んでいる仲見世も観音様周辺もすいすい歩けます。
ゆっくりお参り、観光、お買い物できる今はチャンスですよ(笑)

浅草だけでなく、全国の観光地はかなりのダメージを受けているはず。
ニュースでは京都をとり上げることが多いですが、宿泊、飲食、お土産もの等々、中国人観光客への依存が大きい街はどこも大変だと思います。

2003年にスタートしたビジットジャパンキャンペーンから観光立国を目指してきた日本。
たしかに外国人観光客は年々うなぎ登り。
でも、このような事態になった際、何も手を打てない現状。

一方で、観光客急増にともない地価が高騰し、その土地で代々商売をしてきた人たちが追い出され、地元の人が愛する喫茶店や居酒屋は家賃が払えなくなり、大企業のチェーン店や外国資本の店ばかりになっている事実。
これって、観光地だけの問題ではないと思います。

うちは観光客向け商品の割合は少ないので、今のところなんとか持ちこたえてますが、さらに事態が酷くなり、お客さまがまったく来られなくなったらいったいどうなってゆくのか…。

とにかくこのウィルス問題、早く収束することを祈ります。

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