【履物豆知識/男性】雪駄のお手入れ
雪駄のお手入れ、長く大切に履くコツは?
普段からお世話になっている雪駄。
きちんと仕立てた雪駄は、お手入れをしっかりしてあげれば、長く良い状態で履き続けられます。
今回は、そんな雪駄のアフターケアについてのお話しです。
「畳表の雪駄」のお手入れは…?
履いた後にきちんとお手入れをすれば、竹皮の表(おもて)は使い込むほどに艶のあるいい色になっていきます。
決してお安いものではないので、正しい知識を持って長くご愛用いただきたいものです。
水に濡らすのは厳禁
「南部表」「野崎表」など一般的に畳表と呼ばれる表は、竹皮を細く割いて編み、蒸して圧縮して成形しています。
そのため水に濡れるのが、いちばんの大敵。
水気を含むと膨張して型崩れを起こしてしまいます。
濡れて型崩れを起こしてしまったものは、修理ができないので特にお気を付けください。
※万が一濡れてしまった場合は、元には戻りませんが、水分を拭き取った後ゆっくりと陰干ししてあげてください。
何度も言うようですが、元には戻りません。
雨が降ったらどうするの?
辻屋では冗談でお客さまに「雨が降ってきたら、裸足になってください」と言っておりますが、どんなに良い南部表でも濡れたら台無し。
雨が降りそうな天気の日は畳表の雪駄は避ける、もしくは履き替えの下駄や雨に強いウレタン草履を持ってお出かけになることをおすすめします。
履いた後のお手入れは?
風通しの良い場所で陰干ししてください。
濡れた地面を歩いた後でしたら、底裏も乾くように立てかけて陰干しするのをおすすめします。
保管は紙製の箱に入れて通気性の良い下駄箱などへ。
乾燥剤などは入れないほうがよいです。
極度に乾燥しすぎると竹皮の腰が無くなり割れや切れる原因になります。
竹皮自体は抗菌効果が強いのですが、湿気の多い場所だと鼻緒などにカビが生えることがあるのでお気を付けください。
汚れが目立ったら、編みの目に沿って消しゴムでこすると多少はきれいになります。
酢で汚れを落とすのがよいというのは間違い。竹皮を痛めるおそれがあるのでやめましょう。
竹皮が切れてしまったときは?
経年劣化や、ぶつけてしまったりして、雪駄のつま先部分の竹皮は、稀に切れて跳ねてしまうことがあります。
もう一度”編み直す”ということは難しいので、是非やっておいてほしいことが一つ。跳ねた部分の裏側に薄く木工用ボンドを塗り、竹皮をもとの場所に接着固定してください。
跳ねた部分を放っておくと、その部分を引っ掛けてさらにダメージを広げてしまいます。
ほんのちょっとの手間ですが、是非やっておいてください。
もちろん、わからない、手に負えない時はお店までお持ちください。
踵が減ったら新しい踵に替える
使ううちに踵革が減ってきますので、底裏の革まで浸食しないうちに、新しい踵革に取り換えてください。
雪駄は割と擦るように歩くので、想像以上に踵革が擦り減るのは早いです。
マメにチェックして、そろそろ…と思ったら交換時期。
辻屋本店では、当店の雪駄でしたら1足 1000円(税抜)で新しい踵にお取替えいたします。
ちなみに、踵革は2種類あり、馬蹄(ばてい)というU字型の金具が入るもの、そして三角形の大きい金具が入るテクターというものがあります。
それぞれに良し悪しがあり、
馬蹄の方は、初心者向けで滑りづらく、音は控えめ。
テクターの方は、より減り止めの効果が高く、雪駄らしいチャッチャッという音がより大きく鳴りますが、タイル貼りの上などはよく滑るのでお気を付けください。
「革雪駄」のお手入れは…?
たくさんの種類がある革雪駄。畳表の雪駄よりは、お手入れが楽と言われていますが、こちらも注意点とお手入れの方法を公開
水に濡らすのは厳禁
畳表の雪駄と同じ注意点ですが、雪駄は、基本的に底に牛革を使っています。
これは、畳表・革雪駄に限らずの事ですが、この革底が濡れると、乾いていく時に繊維が詰まり縮もうとします。
すると、縮んでしまう革底と天面のそりが合わなくなり、底と天面を接着仕立てにしている雪駄は、底剥がれの原因になっしてしまいます。
また、接着仕立てでない、縫い仕立ての雪駄であっても底革の変形・型崩れの原因になるので極力避けた方がよいでしょう。
履いた後のお手入れは?
革雪駄の場合も、お履きになった後は、多少なりとも汗などで湿気を帯びやすいので陰干しする事ををおすすめします。
汚れへのお手入れに関しては、それぞれの素材により異なります。
現在では、それぞれの革素材に合わせた皮革用クリーナー等も多く出ているので、用途や素材に合わせてお使いいただければと思います。
クリーナーなどの薬剤をお使いいただく時の注意点として、目立たない部分などでまずお試しいただいてから、というのは言わずもがなですが、拭き取りをしっかり行うことをおすすめします。
綺麗に拭き取りをしないと、クリーナーが残ってしまい、かえって変色などを引き起こす原因になりますのでお気を付けください。
踵が減ったら新しい踵に替える
こちらも畳表の雪駄と同じです。使ううちに踵革が減ってきますので、底裏の革まで浸食しないうちに、新しい踵革に取り換えてください。
その他、雪駄を長く大切に履くコツは?
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鼻緒調整をする
意外と大切な事として、鼻緒の調整があります。
長く履いていると鼻緒は緩んだりして足にフィットし辛くなってくるので、履きやすさのために鼻緒の締め直しを行いましょう。
辻屋本店では、常時職人が在中しておりますので何時お店にお越しいただいても大丈夫。
辻屋本店の商品であれば、何度でも無料で調整が可能ですのでお気軽に調整にいらしてください。
きちんとタイミングをみてして鼻緒調整をしておかないと、踵を引きずりやすくなったり、鼻緒や台の素材を擦ったりと、履物自体のもちの良さにも関わってきます。
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