大人の浴衣に似合う下駄
浴衣を着るとき、大人の女性が注意すべき点は?
店主の富田里枝です。
ひと昔前は浴衣といえば、夕涼みで寛ぐときや夏祭りなどに着るものというイメージでしたが、最近は盛夏の気軽な外出着、夏のワンピースのような感覚になってきました。
ある程度の年齢になったら、浴衣を着る際には「だらしなく見えない」「清潔感」の2点に気を付けたいものです。
私自身、浴衣の着付けには着物より気を遣いますし、浴衣と帯、下駄のコーディネートはすっきり涼し気に見える色づかいを心がけています。
「頭と足元」がきれいだと着こなし全体がグレードアップ
お友達との食事会やカジュアルパーティーに、ちょっとお値段は張りますが、いわゆる高級浴衣は素敵ですよね。
綿紅梅・絹紅梅、奥州紬や絞り、縮(ちぢみ)、長板中型藍染めなど、ちょっと頑張って誂えたなら、浴衣+半幅帯のセットに付いている下駄では、ちょっと残念。
足元もバランスがとれる下駄を合わせたい。
「足元なんか目立たないんじゃない?」とおっしゃる方もいますが、そんなことは決してありません。
浴衣は裾を少し短めに着付けるので、素足にしても足袋付きにしても、履物は目立ちます。
ヘアスタイルも清潔感を大切に。
慣れないとどうしても帯結びなどに気を取られがちですが、「頭と足元」がきれいだと着こなし全体がグレードアップします。
浴衣を着物風に、足袋付きでという場合、履物は何を選ぶか?
素足は抵抗があるので浴衣でも足袋を履きたいという声、よく聞きます。
また半衿を付けて着物風に着る方も増えてきました。
でも浴衣姿には草履ではなく、やはり下駄が似合います。
下駄は素足じゃなきゃいけないと思っている方は少なくないのですが、それは間違い。
「歯のある下駄」と「ゴムが張ってある下駄」の違い
昔ながらの駒下駄や千両下駄などは、クラシックな雰囲気で根強い人気がありますが、下駄の歯は木のままなので場所によっては滑りやすい心配が。
歯のある下駄は、雨の日に爪革を掛けて履くこともできます。
カランコロンという音も風情があってよいものですが、やはり人目が気になることもあります。
右近下駄や舟形下駄は、底裏にゴムが張ってあるため、滑りづらく音もしません。
塗り下駄、張り下駄など多彩なデザインからお好きな台を選んでください。
鼻緒は無地が合わせやすい?浴衣の色と合わせるべき?
鼻緒の選び方は悩みどころですね。
和装履物専門店のアドバイスとしては、「着たい浴衣とトーンが合っている鼻緒を選ぶ」こと。
浴衣や帯と同じ色にする必要はありません。むしろ浴衣の場合、色をぴったり同じにしないほうがカッコイイと私自身は思っています。
藍や白の古典柄なら、すっきり見える鼻緒。
【女物】天黒両耳赤塗り三味右近下駄
【女物】胡麻竹 三味角下駄
浴衣だからこそ鼻緒で遊んでみたい
ワンピース感覚のカラフルな浴衣なら、ポップな鼻緒も。
洋服のコーディネートのように考えてしまうと、つい無地の鼻緒を選びがちですが、浴衣だからこそ楽しめる柄+柄もぜひ試していただきたいと思います。
[女物]白木防水 三味角 舟形下駄
浴衣だけでなく夏着物にも履きたい!という方には
浴衣に合わせるだけでしたら思い切ったデザインの鼻緒もアリですが、浴衣だけでなく着物にも履きたいという場合は、あまり特徴的な色柄の鼻緒を選ぶと、コーディネートが難しくなります。
なのでシンプルで、着物の色柄を選ばない鼻緒をオススメしています。
[女物]茶竹表 横ヤキ舟形下駄(M) EL3057
浴衣以外にも履く場合は、着物を選ばない色柄の鼻緒
下駄は季節を問わず、フォーマル以外の着物に履いていただけますので、シンプルな古典柄や小さな柄ゆきの鼻緒を選ぶと合わせやすいです。
[女物]黒塗り舟形下駄 EL3136
おしゃれ用としての桐下駄は、どちらかといえば関西より関東の方が馴染みがあるようで、季節を問わず下駄を履く人が多いように思います。
「江戸の履き倒れ」と言われたように、昔から東京は履物に凝る人が多い街。
辻屋本店では夏に限らず一年中、下駄を楽しんでいただけるよう、常時何種類もの台と鼻緒を取り揃えております。
コーディネートはもちろん、用途に応じた下駄の選び方、サイズのご相談等、お気軽にお問合せくださいませ!