【第三期 履物laboはきものがかり】第1回 開催報告

ーー まずは自己紹介から ーー

最初に恒例の自己紹介と本日の着物コーデ発表。
初回でちょっと緊張されていた方もいらっしゃいましたが、着物や履物の話になればあっという間に和やかなムードに。
それぞれ素敵な着こなしの紹介を見る毎に皆様どんどん笑顔になられるのが印象的でした。

ーー 店主より座学「伝統的和装履物の基本」 ーー

初回ですので店主の里枝さんより履物の基礎知識として履物の種類、素材、用途別、サイズについてお話を伺いました。

伝統的和装履物の基礎

 ■ 種類
 ・草履 ・雪駄 ・下駄 ・わらじ

 ■ 素材
 草履・雪駄 : 植物(竹・籐・麻・パナマ・ラフィアなど)
        革(牛革・ワニ革・トカゲ革など)
        合成皮革 EVAなど
 下駄 : 木材(桐・杉など)

 ■ 用途 (和装の場合)
 草履 : 礼装用 洒落用 普段用
 下駄 : 洒落用 普段用

 ■ サイズ
 尺貫法の時代のまま寸単位で作るので、今もサイズは一寸の半分の五分(ぶ)約1.5センチ間隔
 ※靴と違ってサイズが細かく分かれていないが、専門店の挿げ職人が鼻緒を足の幅や甲の高さにぴったり合わせることができる。

ーー 研究員の考察 ーー

hirokoさん

今回初めて参加させていただき、知っているようで、実は何も知らなかったんだなと気づかされた時間でした。
特に印象的だったのが、着物業界と履物業界は全くの別世界だというお話です。
着物のことを教えてくれる場所はたくさんある。
でも履物の正しい知識を伝えてくれる場所は、ほとんどない。
それどころかネットには間違った情報があふれている。
だからこそ専門店である辻屋本店さんが、正しい知識をきちんと伝えたいという想いで活動されているのだと知り、深く共感しました。
草履が痛いと思っている方が多いのも、正しい情報が届いていないから。
痛みの原因は草履そのものではなく、鼻緒のすげ方にある。
このお話は本当に目から鱗でした。また、和装履物に左右がないのは世界でも日本だけだということ、サイズが細かく分かれておらず鼻緒のすげ方で個人に合わせていく仕組みも初めて知りました。

着物文化の中で育まれてきた歩き方
丹田に力を入れ、内転筋を使う歩き方と、和装履物に左右の理由が繋がっていたということ。
身体の使い方と道具の形が、何百年もかけて一緒に育ってきたのだと思うと、履物がただの足元のものではなく、日本人の身体文化そのものだと感じました。

鼻緒の位置ひとつで、踏ん張り方も、重心も、気持ちまで変わってくる。
そういう繊細な感覚の話をお話してくださるのが、とても興味深かったです。

知らないと損をする情報がこんなにもたくさんあるのだと気づいた第1回でした。
次回もとても楽しみにしています!

mariさん

新しい辻屋さんのお店は入り口からとても素敵でテンション上がりました!
下駄の歩き方、特に駒下駄(好きなんだけど歩き方がわからずうちでオブジェになってる?)、いつか教えていただきたい!
日本の履物は奥が深そうです。毎回はきもの沼にどっぷり浸かって最後にはちょっと語れる位に成長できたらなと思います。

chieさん

初回から、知らないことが沢山あって衝撃でした。
まさか、履物と着物の業界がそもそも別だったとは…。
着物を着るということをしようとしたとき、まず思いつくのが呉服屋さんに行くこと。そこで一式揃えられてしまうので、全部丸々同じジャンルのものとして認識していました。
でも、そうですよね。
新卒で靴屋さんで働いていて、靴とバッグを扱っていましたが、洋服はなかったことを考えると同じ理屈になりますよね。着物と草履は別。
目から鱗が落ちました(笑)

着物は鯨尺ですが、下駄は曲尺。建築は同じ曲尺!木を扱うから大工さんから下駄職人になる人もいたという話もなるほど!と膝を打ちました。
とっても興味深いお話が盛り沢山でとっても楽しかったです。

akikoさん

まず最初に印象的だったのは、着物と履物は業界がまったく異なるということです。ましてや、使う長さの単位も和裁の鯨尺と大工の曲尺の違いがある、というのも初めて知りました。
それから、私にとって一番興味深かったのは、鼻緒のついた履物は東南アジアなどにあるものの、鼻緒を中央に挿げるのは日本だけ、ということです。
明確な文献は見つからないということでしたが、左右対称の作りなら、右と左を入れ替えて履くことができ、すり減り方の偏りを調整しながら長く使うことができます。モノを大切に使う日本人らしい発想が、履き物の形にも表れているのかな?と思いました。

里枝さんの考察では、着物を着ていると丹田を紐で締め、帯を巻いて軸が整っている日本人の歩き方には、真ん中に鼻緒があることで内転筋の動きやバランスが取りやすく感じる、というお話でした。その発想は考えたことがなかったー!ということで、ビーチサンダルと下駄とを履き比べてみたくなり、早速、自宅で検証しました。
すると、下駄は台の上に親指から踵にかけて重心が載っているのを感じます。小指は下駄から少しはみ出ているので外側には重心を置けません。それに比べてビーチサンダルはのっぺりと足の裏全体が台に載り、重心が全体に散っている気がします。
確かに下駄の方が重心が内側にあり、内転筋を意識して使えるのでは?と感じました!
あと、ここで私の中で仮説がもう一つ。
もし下駄を親指と残り4本指の幅の割合で鼻緒をつけるなら、4本指が乗るだけの横幅が必要になるのではないか?すると、下駄の幅を人によって変える必要があります。
でも、外側の指がはみ出るのは当たり前、軸を取るためには親指から踵が乗れば良いという発想なら、横幅は変える必要がなく、縦の長さを変えるだけで済みます。
下駄は消耗品なので、同じ幅でたくさん作って、左右入れ替えながら履き潰す。無駄を作らず、モノを大切に使う日本人の知恵がそこにもあるということなのかな?と想像しました。

また、日本人の左右対称の美学、要(かなめ)を押さえて軸を整える(むしろ要を押さえれば他はよい!くらいの潔さ)、という発想が、履き物にも宿っている気がしてなりません。
ここにまた一つ、日本文化を誇らしく思うポイントが見つかってしまいました!
そして下駄を愛する気持ちが、より深まりまる学びとなりました。

miharuさん

普段何気なく手にしている草履や下駄ですが、その構造や歴史を教えて頂き、履物の楽しみ方がガラリと変わるような発見がたくさんありました。
座学では、伝統的な履物の特徴から種類まで、分かりやすく解説していただきました。
季節や用途に合わせて選べる楽しさ、履物のサイズと挿げについてなど聞かせていただき、驚きの連続でした。
草履と雪駄の大きな違いが「芯の有無」にあること、着物と履物では同じ尺寸でも基準とする物差しが異なること。
今まで、履物は着物のセットの一部というイメージを持っていましたが、実は着物とは業界そのものが異なる独立した専門分野なのだということ。
一番印象に残ったのは、「痛くない履物がほしい」という悩みへの答えです。
痛みの原因は鼻緒や台の素材そのものではなく、「自分の足に合わせて鼻緒を挿げられているか」そして「正しい履き方を知っているか」にあるということ。
私自身、正しい履き方を深く意識したことがなかったので、職人さんの手仕事による「挿げ」の重要性を知り、もっと深く知りたいと強く感じました。
初回ということでドキドキでしたが…和気あいあいとした雰囲気の中で、日本の足元文化のお話を聞けたこと、とてもとても楽しくあっという間の時間でした。
次回何を学べるのかとても楽しみです。

risaさん

着物を楽しむうえで、足元の快適さはかなり重要だと思っています。
草履や下駄には細かくサイズが分かれていないけど、鼻緒を甲の高さや足の幅に合わせてすげて頂く事で(←実はこれが全て!)ぴったりフィットし痛みもなく歩きやすい。という事をもっと多くの方に伝えたいと思いました。
また、下駄は歴史が古く和装履物の原点である事、その土地に自生する木材で作られていたお話がとても興味深かったです。 現在とは違い、昔は雨の日や仕事用の履物だったなんて!
浴衣の時に履くイメージが強い? けど下駄はフォーマルではない限り、一年中履く事が出来るので草履派の方々にも、コーディネートの幅を広げるアイテムとして魅力をお届けできたらと思います。

mimiさん

着物歴1年未満の初心者です。当初は着物や帯にばかり目が向き、履物の重要性はあまり意識していませんでしたが、実家にあった草履を試しに履いてみたところ、痛くて10メートルも歩けませんでした。
まず頭に浮かんだのは、いわゆる今流行りの「走れる草履」や「歩きやすい」とSNSで人気の草履を購入することでした。
しかし、鼻緒はすげ替えができるということを知り、当初購入を考えていた現代草履はすげ替えができないタイプのものが多いと知り、鼻緒が緩んだ際には買い替えが必要になる場合があることにも気づきました。
その後、鼻緒のすげ替えをしてくださるお店を探し辻屋本店さんに伺ったことが、【はきものがかり】を知るきっかけでした。

今回参加させていただいて、草履や下駄の台の違いや鼻緒の調整によって履き心地が大きく変わることを学び、実際に先日こちらですげ替えていただいた草履で一日快適に過ごせたことで、履物の重要性を実感しました。
また、和装履物には左右がないことにも大変驚きました。
なお下駄については、これまで子供の頃に浴衣を着たときに履いていたあの下駄の印象だったので、実際に商品を見せていただき、とてもおしゃれで粋なデザインにびっくりしました。
早くも、自分も欲しくなってしまいました(笑)。
今後は草履と下駄を履き比べ、それぞれの違いを実際に体験してみたいと思います。

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