「山菱」至高の草履・バッグ展
95年の歴史に幕を閉じる革工芸の最高峰「山菱」
もう作れない最高の技を一挙に展示販売
辻屋本店とは3代にわたってお付き合いさせていただいた革草履の工房「山菱」。
妥協を許さないものづくりの姿勢に、当店は絶大な信頼を寄せておりました。
高品質をキープするため価格を落とせず呉服店とは取引きがなかったゆえ、
履物専門店とごく一部の百貨店でしか入手できませんでした。
もう二度と作れない素晴らしい作品の数々をどうぞご覧ください。
2021年2月3日(水)~3月3日(水)
辻屋本店2階ギャラリーにて開催
入場無料・予約不要
※3月31日(水)まで延長いたします
株式会社 山菱
大正13年創業。
象嵌や螺鈿など伝統工芸の技術・技法を革に応用する技術を開発。
高度な技術を持つ職人が「草履のため」の装飾に腕を振るい、昭和30年代には「革工芸の山菱」として業界一の地位を築く。
後継者不在と職人の高齢化により、惜しくも2020年末に廃業。
非売品やお借りした資料も含めて
今ではもう作れない貴重な草履やバッグを多数展示し
一部販売もいたします。
「革象嵌(かわぞうがん)」
一つの素材に異質の素材を嵌め込む象嵌技法。
金工や木工、陶工などが一般的だが「山菱」は革に象嵌技法を用いる加工技術を独自に編み出し、足を乗せても十分な強度を持つ草履を作り上げた。
【厚貝象嵌研出(あつがいぞうがんとぎだし)草履】
蝶貝などの内側部分を切り出し、加工します。
山菱は、金属箔や金属粉を使う技法から、厚貝を革に埋め込む独自の技法を発展させ、草履の新しい表現を生み出しました。
[女物]厚貝象嵌研出(あつがいぞうがんとぎだし) 草履(M)
Mサイズ
Lサイズ
[女物]厚貝象嵌研出(あつがいぞうがんとぎだし) 草履(M)
同じく厚貝を革に埋め込む技法を用いたバッグもございます。
[女物]厚貝象嵌(あつがいぞうがん) バッグ
【べっ甲象嵌(ぞうがん)草履】
奈良時代、大陸から日本に伝わったべっ甲細工。
赤道付近に生息するウミガメの一種、タイマイの甲羅を加工したもの。
瓢箪などの形に切り出したべっ甲を革に埋め込み、エナメル樹脂でコーティングしています。
飴色の独特な光沢が高級感を醸し出します。
[女物]瓢箪 べっ甲象嵌研出(ひょうたん べっこうぞうがんとぎだし) 草履(M)
【螺鈿象嵌(らでんぞうがん)草履】
白蝶貝、黒蝶貝などの内側部分を切り出し加工します。
まるで宝石のような輝きが魅力の螺鈿細工。
最も古いものは正倉院宝物として伝来する螺鈿紫檀五絃琵琶などがあります。
蒔絵とともに漆芸の装飾技法として発達し、安土桃山時代にはヨーロッパ向けの輸出品として大変人気がありました。
【女物】流水 螺鈿研出(りゅうすい らでんとぎだし)草履
[女物]道長取り 螺鈿研出(みちながどり らでんとぎだし) 草履(M)
【レリーフ型染(かたぞめ)草履】
革に謄写版にて模様を型染めしています。
まるでレリーフ(浮彫)のような立体的な陰影を表現できる、山菱ならではの高度な技術です。
日本を代表する桜の花を描いた、繊細さと豪華さを併せ持つデザインは、もっとも人気の高いシリーズ。
桜柄は季節を問わず、おめでたい席にて履いていただけます。
[女物]桜文 レリーフ型染 重ね草履(M)
段を重ねてさらに豪華に。
色違いもございます
[女物]桜文 レリーフ型染 草履(M)
天(足をのせる部分)にもレリーフをあしらった一段のデザイン。
【モザイク堆朱(ついしゅ)草履】
塗料を革の表面に盛り上げて、まるで金属のような風合いを表現した独特のデザインは「饕餮(とうてつ)」と呼ばれる模様。
体は牛か羊で、虎の牙、人の顔を持つ中国神話の怪物<饕餮>は魔除けの意味を持ち、古代中国では祭事の道具として青銅器や玉器の修飾に用いられていました。
足裏から厄除けの力を発してくれそうな一足です。
[女物]饕餮文 象嵌研出(とうてつもん ぞうがんとぎだし) 草履
2020年10月、山菱さんに最後のご挨拶をかねて御礼に伺い、あらためて取材させていただいた記事をブログ・YouTubeにUPしました。
あわせてご一読いただければ嬉しいです♪
Blog
https://getaya.jp/blog/yamabishi/