歌舞伎の舞台を歩く~ 柳島の妙見さま その一

四代目店主 富田里枝です。
「柳嶋の妙見さま」と慕われる柳嶋妙見山法性寺。
足利幕府の明応元年(1492年)開山、墨田区でいちばん古い寺院です。
東京スカイツリーから歩いて数分、十間橋の近くにあり、現在は1、2階が寺院で上階はマンションになっています。

境内にある妙見堂は、開運北辰妙見大菩薩をお祀りしています。
葛飾北斎が篤く信仰し、妙見堂を描いた作品も数多く残しており、雅号の「北斎」は北辰妙見菩薩に因んで名乗ったと言われています。

「北辰」とは北極星。
天の中心にあり、時代や季節の移り変わりにかかわらず、北の空で輝き続けることから、古代中国より信仰の対象であった北極星・北斗七星が仏教思想と結びついたそうです。

いちばん目立つ場所に北斎の顕彰碑がありますが、他にも多くの石碑・歌碑があります。
こちらは「曽根崎心中」「国政爺合戦」など不朽の名作を残した浄瑠璃作家、近松門左衛門の供養碑。
没後100年の文政11年(1828年)、門左衛門のひ孫により建立されたとのこと。

初代歌川豊国筆塚。
江戸時代後期に活躍し、歌川派を浮世絵界最大の一派に成長させる基盤を作った人物です。
碑文には、豊国の遺筆数百枝を埋めた上に碑が建てられたことが記されています。
関東大震災で損壊したため、現存するのはこの断片のみ。

今月の歌舞伎座の第二部「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」を観てきました。

第一場はまさに「柳島妙見の場」。
江戸時代にはお百度参りの願かけに来る老若男女も多かったようで、お芝居の中でも登場人物が次々と熱心にお参りしています。

仁左衛門&玉三郎演じる鬼門の喜兵衛と土手のお六。
この後の‘ゆすり’の場面が小気味良くおもしろかったです!

今月のインターネットLIVE番組「ニッポンのポン!」は歌舞伎がテーマ。
毎月のように観ている方も、まだ観たことないけれど興味あるという方も
ぜひお気軽にご覧ください!

ゲストは舞台評、映画評、インタビュー記事などを執筆されているライターの仲野マリさんです。
著書に「恋と歌舞伎と女の事情」があり、シネマ歌舞伎の上映前解説もするなど歌舞伎の見どころをわかりやすく紹介されています。

2/28(日)午後5時スタート
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