【第二期 履物laboはきものがかり】第3回 開催報告

ーー 夏の着物に合わせる履物 ーー

まずは座学として辻屋本店 店主の里枝さんより
【夏の着物に合わせる履物】についてお話を伺いました。

夏向きの草履 主な素材

・パナマ
・ラフィア
・シザール(麻)
・籐
・絽

夏の履物はいつからいつまで?

夏単衣から秋口くらいまで。
着物は先取りなので、気温が暑くても夏の履物は9月下旬くらいまでがお洒落。
判断に迷う時は襟や帯揚げなど小物の季節感に合わせるとバランスがとりやすい。

夏素材の鼻緒

夏のフォーマルは?

・第一礼装については盛夏でも通年変わらない。
 紋付の着物には夏素材の草履や鼻緒ではなく、フォーマル向きの草履・帯地などの鼻緒。

・洒落着として訪問着や付け下げなどお召しになる場合は、夏素材の草履に白革の鼻緒などを合わせて、少し涼やかに見せてもよいのでは?

夏限定の下駄とは?

・胡麻竹を張った下駄は、夏限定
・その他の下駄は季節を問わず、フォーマル以外ならOK。

ーー ペタコさんとのコラボ企画 ーー

続いて冨士商会・ペタコさんとのコラボ企画のデザイン案を最終決定。
研究員の皆様には宿題として、前回決めたテーマに合わせてデザイン案を考えていただきました。
それぞれ発表した案をすり合わせ、テーマに合わせた色やモチーフを決めていきます。
みんなでアレコレ話し合い、何とか案がまとまったので、いよいよペタコさんに制作をお願いするところまで進みました。
ペタコさんにはちょっとお骨折りいただきますが、仕上がりを楽しみに次回を待ちたいと思います。

ーー 研究員の考察 ーー

あきさん

今回は夏の履物についてでした。
履物も夏物に!というところまでは私自身まだ出来ておらず
夏の履物を揃えられたら“コンプリート”という感じがして、ワクワクドキドキしました。
最高の贅沢で粋だと思いますし、着物装いの目標の一つとなりました。

パナマやラフィア、シザール、胡麻竹など夏らしく、涼しげで素敵でした。(見た目も触り心地も最高でした)
しかしながら材料や作り手のこともあり高価なものではあります。
いつか買うなら早く買う!それは本当にその通りだとひしひしと感じてはいますが、勇気がいります。(早く買って長く楽しむという考えはおっしゃる通りですね)

夏の履物の話とともに、夏の和の装いの話にもなり、帯や半衿、浴衣と下駄の話など、色々なお話が聞けたこと、とても参考になりました。
夏の履物は小物に合わせるというのもわかりやすかったです。
今日は雨模様で、肌寒い1日でしたが
みなさまの雨の時の履物や装いも楽しく拝見しました。
寒暖差が激しい最近の気候ですが、和の装いは身体を守り、快適に過ごすのには適していると着物を着るようになって感じています。

のぞみさん

夏向きの履物はなんとなくイメージ出来ていましたが、胡麻竹の下駄が夏限定だったとは!この回いちばんの学びでした。
夏素材の鼻緒を挿げた胡麻竹の下駄、今年の夏は浴衣に素足で履いて…って妄想まっしぐら。
毎回思うのですが、教材が危険すぎます!妄想と誘惑の嵐。
ま、それも楽しいのですが(笑)

夏向きの草履のパナマの綺麗な網目にウットリしました。
ラフィア、シザール、籐、絽、どれも涼しげで素敵だけど、色々考えたら畳表の草履が意外なお値段で1番お得かも?と感じたのは私だけでしょうか。
財政的に余裕があれば、勿論季節ごとに取り揃えたいところですが、鼻緒を挿げ替えて季節感を出せる履物はエコですしね。
はきものがかりに参加しなければ気付かなかったかも。
ペタコさんとのコラボもデザインとカラー、鼻緒の仕立てが決まり、どんな風に仕上がって行くのかとても楽しみです。

予習・復習のためのYouTubeを見て、次は小粋で通な感じの内のぞきで鼻緒をお願いしたいと思いました(妄想)が、最終的にはやはりプロと相談するのが1番です

みささん

はきものがかりに参加する前は、「夏の履物=素足で下駄を履く」というイメージでした。
着付け教室で夏の着物や帯については学びましたが、夏向きの履物については学んだことがなく、夏向けの素材で出来た草履を初めて辻屋さんで拝見しました。パナマの細やかで美しい編目に目が釘つげになり、胡麻竹の手触りに心を奪われました。

特定の時期にしか着たり履いたりできない素材があるのが和装の楽しみだと思っています。
年々暑い日が増えてきているので、私も一足お迎えしたいと思いました。

和美さん

今回参加して「憧れ草履・パナマ」に胸ぐら掴まれました!
巷には夏草履で「パナマ風」「ラフィア風」の商品が出回っており、わざわざ欲しいとは思わなかったのです。
ところが今回、編み目も素晴らしい逸品を近くで目にしてしまったら、《物の持つ力》に魅せられてしまい、一目惚れ。
辻屋本店さんだからこそ、本当のパナマの良さが伝わる品物が入荷されているのだと確信しました。

そして、夏限定の下駄「胡麻竹の下駄」に初めて触ってみましたが、こちらも冷んやり涼しげで、魅力的。
少しザラっとしている表面が、素足に気持ち良さそう。塗り下駄だと素足で履くと曇りが出てしまいますが、ごま竹はその点でも塩梅良さそう。

はきものがかりに参加してから、日本の知恵と技術が「履物」という名の小宇宙に凝縮されて詰め込まれているようにつくづく思います。
「衣替え」の前に、季節の微妙な変わり目の時期を「小物替え」して楽しめる豊かさを上手に取り入れて、通年快適に楽しみたいと思いました。

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