【第二期 履物laboはきものがかり】第1回 開催報告

ーー 和やかに始まった自己紹介 ーー

始めましての第1回。にも関わらず、とても和やかな雰囲気の研究員の皆様。
和装履物への思い、普段よく履くもの、これから欲しいもの、今日の着物コーデなど…
履物好きは着物も大好き♪ 話は尽きません…

ーー 店主より座学「伝統的和装履物とは」 ーー

初回ですので店主の里枝さんより履物の基礎知識として履物の種類、素材、用途別、サイズについてお話を伺いました。

伝統的和装履物の基礎

 ■ 種類
 ・草履 ・雪駄 ・下駄 ・わらじ

 ■ 素材
 草履・雪駄 : 植物(竹・籐・麻・パナマ・ラフィアなど)
        革(牛革・ワニ革・トカゲ革など)
        合成皮革 EVAなど
 下駄 : 木材(桐・杉など)

 ■ 用途 (和装の場合)
 草履 : 礼装用 洒落用 普段用
 下駄 : 洒落用 普段用

 ■ サイズ
 尺貫法の時代のまま寸単位で作るので、今もサイズは一寸の半分の五分(ぶ)約1.5センチ間隔
 ※靴と違ってサイズが細かく分かれていないが、鼻緒を足の幅や甲の高さにぴったり合わせて挿げることができる。

ーー 研究員の考察 ーー

あきさん

日本の伝統的なものがギリギリ残っている(ほぼなくなりそう)な現代。このままなくなってしまうにはもったいないし、無くしたくないものがたくさんある。
その一つが和装履物であり、今回研究員として関わることができて嬉しく思うと同時に一人でも多くの方に和装履物の気持ちよさ、面白さ、素敵さが伝わるように楽しく関わっていくことができたら嬉しい。
下駄や草履は一般的に足が痛くなる、歩きにくいという印象が強いように感じるが、本当に履きやすい歩きやすい履物に出会ったことがある人が少ないからだろう。まずは履いてみたいと思ってもらえるようなそんな関わりができたら嬉しく思う。

としみさん

関東と関西は女性の着物の着こなし方も違いがあることはなんとなく理解していましたが、男性にも違いがあることを知ったのは今日が初めてでした。それによって選ぶお草履が変わってくるなどというお話も楽しかったです。辻屋さんのお草履は関東風で、なるほどしゅっと前の部分が細めになっているのが粋でかっこよく、細目のパンプスは痛くなるので絶対に選べない私ですが、お草履は問題なく履けるのが嬉しいです。
和装履物の誤った情報が多いことに危機感を感じているというお話に心打たれました。過去に安価なだけで足に合ってない履物で転んで骨折を2回した私としては、とても重要な位置付けです。多くの方にその想いが届きますように。

のぞみさん

履物の基本的な知識を得られたのも魅力的でしたが、東西の文化の違いで好まれる履物の違いも興味深かったです。
やはり、私は東が好み。江戸っ子の粋でいなせな履き方に憧れる玉っ子でした(笑)
需要は少なくなっているかも知れないけど、現在までの長い間、残っていると言うのは凄いことですね。
時代背景も教えていただきワクワクすると同時に、現代の職人さんがいない、材料が手に入らない、現場の切実さが伝わりました。
下駄や草履は改めて不思議な履物だなと思いました。
本来なら左右の足の作りから考えたらビーチサンダルの様になるはずが、左右の区別なく鼻緒を真ん中に付けて挿げかたで調整する。実に不思議。日本独自?他にはない??などの疑問も湧いてきました。

みささん

そもそも草履と下駄の違いも曖昧でしたが、材質によるものだということが分かりすっきりしました。また、下駄は浴衣にあわせて履くイメージがあったため、季節を問わず通年履けることに驚きました。これからは自信を持って着物や洋服のコーディネートに下駄を取り入れてゆきたいと思います。
歴史的な背景を基に、履物の発展と衰退を教えていただいたので、納得感がありました。今後は大河ドラマなどを観るときに衣装だけでなく、足元にも注目したいと思います!
履物のサイズ表記がSMLなのはなぜだろうとずっと思っていましたが、五分間隔で展開されているのを知り納得しました。
私は普段、着物屋さんやオンラインで草履を購入していましたが、足の甲が薄いため、パカパカして歩きにくく困っていました。それを相談できる場もなく諦めていました。
今回辻屋さんに鼻緒を挿げ直していただき、フィットして歩きやすくなりました。鼻緒の挿げってとても大事なんですね!!

和美さん

雪駄について、女性が履かないのはなぜなのか?デザインの幅が狭いのはなぜなのか?長年の疑問がスッキリ晴れました!
雪駄は関西地域ではあまり販売されていない。関東でも女性はお祭りの時くらいしか需要がないため女性用の雪駄は特に作られておらず、小さいサイズを利用しているそうです。
下駄についても、関西では殆ど見ることがなく不思議でしたが「昔から関西は草履文化である」ということを知り、納得! 着物の着方や歩き方にも違いがあって、狭い日本の中でこうも違いが出てくるのだというのは大変興味深いお話しでした。
昨今、材料不足で製品が作れないという業界内のご苦労話もお聴かせいただき、「良い品質のものは、今のうちに購入しておかないと、将来的に世の中から無くなってしまうかも?!」と焦ります。
大好きな日本の衣装文化をさらに掘り下げ、広く世の中に発信し、「怖がらずに安心して自由に選択して日本の伝統的なファッションを楽しむ」ということに微力ながら貢献出来たら幸いです。

関連記事

コメント

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。