大阪へ出張してきました

四代目店主 富田里枝です。
今年いっぱいで廃業される草履メーカー「山菱」さんにご挨拶するため、妹と大阪へ行ってきました。
大正13年創業の山菱さんとは3代にわたり取引きさせていただきました。
草履の革加工、べっ甲や貝などの細工など、独自の技術は山菱が開発して独自の技術で、すべて手づくりの少量生産。
呉服屋さんには卸していないので、うちのような履物専門店と、ごく一部のデパートでしか入手できません。
株式会社山菱 http://www.yamabishi-net.co.jp/index.html?lid=0

奇しくも、超絶技法を持った最後の職人さんが、私たちが伺った日に退職されるというタイミングで、お話しを聞くことができました。
撮らせていただいた写真や動画を整理して、後日公開しますので少々お待ちください。

大阪には取引先が何社かあるので年1回くらい出張するのですが、いつもメーカーをまわるだけで、ゆっくり食事も観光もしたことがありませんでした。
今回は1泊し、夕食は大正時代に建てられた遊郭をそのままの姿で残している「鯛よし百番」という料理店を予約しました。

かつて遊郭が並ぶ飛田新地という地区にあり、2000年に国の登録有形文化財として登録されています。
日光東照宮の陽明門を模した応接間の入口や桃山風の派手な装飾は、戦後期のオーナーが京都の絵師や大工を動員して改装したとか。

建物と雰囲気を味わうだけでも価値がありました。
役者をやっている知人は、遊廓というものを体感できる貴重な場所なので、大阪公演の時に若い俳優を連れていくことがあるそうです。


駅までの帰り道はちょっと衝撃的でした!(行きはメーカーの社長さんに近くまで車で送ってもらったんです)
なるべく見ないようにして、ささっと通り過ぎたのですが、時間が止まっているような飛田新地。女性は歩かないほうがいいみたいです^^;

山菱さんで取材した後は、社長に「美々卯」でお昼をごちそうになりました。人生初の「うどんすき」でした♪

その後、さらに取引先をまわり、夕方の新幹線に乗る前に1時間程、「ミナミ」を観光。
よくニュース映像で見るえびす橋も初めて渡りました(笑)

大阪は都構想で盛り上がっているみたいですが、私個人的には、IR誘致とか万博より、山菱さんのような独自の高度な技術を持つメーカーを、地元が見直すべきではないか、と思いました。
和装履物業界は縮小の一途なので、草履だけでなく他の技術に流用して新しい価値をつくれば、国内だけでなく海外でも必要とされるのではないでしょうか。

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